令和5年の六地蔵巡りを、地下鉄・バス1日券で回ってみる
京都の夏の終わりの行事といえば、8月22・23日に京都市内の六カ所のお寺でお幡を集めるという、800年続く伝統行事の六地蔵巡りがあります。
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六地蔵巡りとは
行事の始まりは、平安時代初頭に小野篁が大病を患い、生死を彷徨う時に地蔵に助けられ、その恩で六体の地蔵を作ったと言われています。六体は六地蔵発祥の地である大善寺に安置していましたが、後に後白河法皇が旅人の安全を祈願して平清盛に地蔵を街道の入り口に置くように勅命し、清盛は西光法師に命じて五つの場所に六角堂を作りそれぞれ安置されました。こうして六地蔵巡りが始まりました。
六カ所の寺は六地蔵/大善寺(伏見区醍醐)・鳥羽地蔵/浄禅寺(南区上鳥羽)・桂地蔵/地蔵寺(西京区桂)・常盤地蔵/源光寺(右京区常盤)・鞍馬口地蔵/上善寺(北区鞍馬口)・山科地蔵/(山科区四ノ宮)となります。期間中は二日とも午前5時から午後10時までお幡の授受ができます。
過去に自転車で回ったこともありましたが、今年の酷暑で走るのは辛いなので、京都市交通局が販売している1日乗車券を利用することにしました。9月末でバス1日券の販売が無くなりますが、バス1日乗車券では全ての寺が回れないため、地下鉄・バス1日券を利用することになりました。
乗り換えアプリを使う
どこからスタートするのかが悩みものですが、竹田駅から鳥羽地蔵へ時計回りで回ることにしました。スタートは朝の8時台で六地蔵へは16時台に着く予定です。
鳥羽地蔵の最寄りバス停へは18系統に乗る必要がありますが、区間が二条を出発すると久我石原へと久我橋から西に向かうので、一部の18系統と南1・南2・特南2系統に乗り、途中の上鳥羽塔ノ森で乗り換えます。
こうしたバス・地下鉄の乗り換えを教えてくれるスマホアプリは京都専用だと2種類あり、鉄道や市バス以外を網羅する京都乗換案内と、
市バス専門のKYOTO BUS CHECKERがあります。京都乗換案内は広範囲だが割と他の路線とバス停が近い場合に「歩く」指示が出るので、経由地を入れたりしながら調整するといいでしょう。KYOTO BUS CHECKERは京都バス・京阪バス・JRバスが掲載されないため、地下鉄・バス1日券で市バス以外の範囲に乗るには注意が必要です。
上鳥羽塔ノ森で北行きのバスに乗り換え。同じ名前のバス停でも十字路交差点などで位置が違うため確認が必要です。
いろんな由緒があるお寺を巡る
地蔵前のバス停で降りて浄禅寺に着きました。袈裟御前の恋塚の伝承がある寺です(ちなみに恋塚の伝承の寺はもう一つあります)。
お金を払ってお幡をいただきます。六つの寺は色違いなので、初めてだと何色が来るか楽しみですね。紙製なのでクリアファイルを持参するといいです。
再び18系統に乗って七条大宮で乗り換えです。桂へ行く33・特33系統に乗ります。
似た路線を京阪バスが走っていますが、1日券では乗れません。他社路線で乗れる乗れないを把握しておきましょう。
桂消防署前のバス停を降りて地蔵に着きました。ここの寺は立派なお堂です
次のバスに時間があったので、桂離宮の近くの中村軒に寄りましたが定休日でした。バスは乗り降り自由なので有名店をリサーチしとくのもいいでしょう。
下桂から70系統に乗って太秦天神川駅へ向かいます。そして駅で75系統に乗り換えます。
常盤・嵯峨野高校前のバス停で降りてしばらく歩くと源光寺に着きます。
源義経の母である常盤御前の墓があります。常盤御前の墓の伝承は全国にありますが、常盤御前は元々この地域で生まれたとされ、晩年はこの寺で過ごしたとされています。
再びバスに乗りますが、地下鉄烏丸線の鞍馬口駅に行くので、75系統で太秦天神川駅へ戻るか、91系統で西大路御池駅で東西線経由で行くか、93系統で丸太町駅から乗るか選択肢があります。
鞍馬街道を東へ行くと上善寺に着きます。鞍馬口地蔵は江戸時代まで深泥池の近くにありましたが、明治時代にここへと移りました。
次は山科駅へ行きますが、地下鉄の駅に戻るのもいいですが、折角なので鴨川に出て出雲橋から37系統で京阪三条へ行きます。
京阪三条から東西線の山科駅で降り、寺へ行く旧東海道ではこの期間に道沿いに屋台が出るのでとても華やかです。
徳林庵に着きました。出店があるので参拝する人はやはり多いです。駅に戻って東西線の醍醐駅で降ります。
山科・醍醐の京阪バスは1日乗車券で乗れるので、6・A系統で大善寺の最寄りの東町へ行きます。
最後のお寺へ
六地蔵こと大善寺に着きました。このように六地蔵巡りは京都の外周部を回るので範囲が広いため、ほぼ1日がかりです。
六枚のお幡葉は集めたら家の玄関といった場所に吊るします。その際に古いお幡はひとまとめにして奉納します。どこの寺でもお返しできますが、大善寺はこうして吊るす場所があります。
この二日間だけ各寺の地蔵菩薩がご開帳になり、お顔が拝むことができます。この時期は街でも地蔵盆が行われ、夏の終わりを告げます。
大善寺から竹田駅や京都駅に戻る場合は、再び同じバスで竹田駅へ行くか、歩いて地下鉄六地蔵駅から東西線〜烏丸線で戻ることになります。
地下鉄・バス一日乗車券でも回れますが、バス停で乗り換えする際の時刻表の繋ぎをよく見ないと、なかなかバスが来ないことがあります。待つ間は暑い季節なので熱中症にならないようお気をつけください。
ぜひ来年の六地蔵巡りチャレンジしてみてください。