「発掘された京都の歴史2023」の見どころ
8月5日から京都府内の発掘調査の成果を展示する「京都の歴史2023」が向日市文化資料館で開催されています。この展示はふるさとミュージアム山城とふるさとミュージアム丹後の巡回展となっています。
向日市歴史資料館は長岡京の展示があるのでそれと一緒に見るのもいいですね。
京都府内の遺跡は古墳時代から都が移された長岡京から歴史上重要な場所を示すものが多数あります。
最近の発掘調査で大きな成果だったのが、京都市伏見区淀の「淀水垂大下津町遺跡」です。「日本後紀」に桓武天皇が行幸したとされる淀津の存在が明らかになり、淀川水系の重要な場所だった事がわかりました。今回は室町時代から安土桃山時代にかけての卒塔婆や灯籠といった近くにあったであろう寺院の遺物が展示されています。
京都市上京区のかつて平安宮の南東にあった、水の管理をしていた主水司(もんどののつかさ)と醤油や味噌といった調味料を保管していた醤院跡から多数の土器が発掘され、その内の緑釉四足壺が展示されています。同じような土器は九州国立博物館に重要文化財で指定されているのもあり、生産地は愛知県猿投窯跡とされています。将来的に重要文化財になるかもしれません。
弥生時代の遺跡からは備前遺跡(八幡市南山)・大藪遺跡(京都市南区久世殿町)・日吉ヶ丘遺跡(与謝野町明石)の発掘品。地域によって造りの違いが分かるのではないでしょうか?
京都府城陽市にある宇治市南部から城陽市にかけて広がる芝山古墳群の展示もされており、奈良市の「富雄丸山古墳」から発掘された蛇行剣と同じ目的で作られたと思われる、梅の小塚2号墳の南側にある塚から発掘された蛇行剣が展示されています。
京都府内では綾部市大奥2号墳と南丹市城谷口2号墳からも蛇行剣が出土しています。
発掘された京都の歴史2023
場所・会期
向日市文化資料館・令和5年8月5日(土)~8月27日(日)
ふるさとミュージアム山城・令和5年9月7日(木)~9月18日(月・祝日)
ふるさとミュージアム丹後・令和5年10月7日(土)~11月12日(日)