第5回・鉄壁を築いた王城鎮護の守り(794年〜)
長岡京で悪霊に悩まされた桓武天皇は、平安京遷都を行った際にあらゆる法術を使い、都を災いから守ることとした。
そのため、多くの寺社が都の周辺に作られた。
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都の方位を護る社
日吉大社(滋賀県大津市坂本)
表鬼門の北東にあたる比叡山には、日吉大社を守護神とする延暦寺をあてた。後に延暦寺が最澄によって創建され、日吉大社と共に鬼門から護る。
五條天神宮(下京区松原西洞院通西入ル)
桓武天皇は遷都の初めに鎮衛のため、空海に命じて大和の国から天神を勧請し、天使社(現在の五條天神宮)を造営した。
大将軍八神社(上京区一条御前)
北西に大将軍堂(現在の大将軍八神社)を置き、都の四方にある神社に小社を置いた。
将軍塚(山科区厨子奥花鳥町)
そして粟田山の山頂に八尺の人形に鎧を着せ、弓矢を持たせて西に向いて埋めた、将軍塚を作った。
都を頂点を護る寺
鞍馬寺(左京区鞍馬)
延暦15年(796年)に平安京の造東寺長官の藤原伊勢人が夢のお告げで、毘沙門天を祀る鞍馬に伽藍を造営し王城の鎮護とした。
新たに創建された最強の社
石清水八幡宮(八幡市八幡)
のちの貞観元年(859年)に裏鬼門にあたる南西に、行教が宇佐神宮にて修行中、八幡様を男山に移座させて都を鎮護せよとのお告げで、翌年に石清水八幡宮を勧請した。
こうして都には悪霊が入れないよう多数の結界が張り巡らせる、不滅の城として造られた。
参考文献
京都・観光文化検定試験公式ガイドブック(淡交社)
京都府立京都学・歴彩館デジタルアーカイブ
各寺社の公式サイトフィールド・ミューアジム京都
京都観光ナビ
各寺社の公式サイト・参拝のしおり・由緒書
※各説明文に関しては史料などを参考に、独自に考察しています(2021.02/16改訂)。