伊能忠敬も立ち寄った、江戸時代の城陽市を辿る「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展

京都府城陽市の城陽市歴史民俗資料館では、江戸時代の城陽市の絵図を紹介する「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展が開催されています。

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」・城陽市歴史民俗資料館

今回の展示は撮影禁止が多いため、帰ってから絵図を眺めるのには図録が販売されていますので、購入するのをお勧めします。

魅力的な絵図の世界

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」・城陽市歴史民俗資料館

江戸時代に書かれた絵図は現代の地図にあたり、地域の街道や名所など事細かく書かれ、当時の村と村との水源や山の境界線としての記録作成にも使われました。

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展・城陽市歴史民俗資料館

絵図には当時の地域情報が詳細に書き込まれており、今日でも伝わる伝承を調べる際の歴史探究には欠かせない資料です。

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展・城陽市歴史民俗資料館

こうした絵図は小さいものから巨大なものまで大きさは様々、城陽市は近代の戦争被害がなかったため、こうした絵図が多数残されています。

伊能忠敬の地図作成の秘密

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展・城陽市歴史民俗資料館

江戸時代の地図作成者といえば伊能忠敬でしょう。寛政12年(1800年)に忠敬が55歳の時に自費で蝦夷地を測量したことをはじめとして、のちに幕府直轄の事業として全国を測量しました。

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展・城陽市歴史民俗資料館

昔の城陽市は長池に宿場町があり、忠敬も文化8年(1814年)に訪れました。この時の忠敬の書面も残されており、忠敬の人柄を思わされる資料となっています。

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展・城陽市歴史民俗資料館

忠敬の正確な測量方法は天体観測を転用した技術が用いられました。緯度と経度を観測して測量したデータを補正していたようです。城陽市には忠敬の時代に作られた望遠鏡が展示されています。

「城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー」展・城陽市歴史民俗資料館

伊能図は大・中・小の3サイズが存在し、縮尺率で書かれている情報も詳細が変わります。江戸時代でもこうした正確な地図作成を成し遂げた当時の地図作成の様子は、映画「大河への道」で映画化されています。

江戸時代と現代とでは大きく変わった地形や建物があり、今と見比べると新しい発見があるかもしれません。

城陽の絵図と地図ー描かれた近世の村ー

場所 城陽市歴史民俗資料館

会期 令和5年10月21日(土曜日)~12月17日(日曜日)・関西文化の日11月3日(金曜日・祝日)・最終日12月17日(日曜日)は観覧無料

城陽市歴史民俗資料館サイト