京都市の所蔵品で歴史探訪、「祇園祭と町の風景」

京都市歴史資料館では文化庁移転記念の特別として、「祇園祭と町の風景-館蔵品をひもとけば-」を9月17日まで開催中です。

京都市歴史資料館

京都御苑の東側、丸太町から寺町通りを上ると右手側に京都市歴史資料館があります。主に京都市に関わる古文書を収集・展示をしている資料館です。

展示室

今回の展示は3つのテーマに分かれており、1.祇園祭と雑色萩野家・2.京都の風景・3.山鉾町の暮らしと風景となっています。

祇園会御鬮札

一番目のコーナーで面白いのは祇園祭の山鉾巡行で行われる鬮(くじ)取り・鬮改めの儀で使用される鬮札です。江戸時代の役人であった雑色の内の一つ、荻野家に伝わる江戸期の祇園会(当時の祇園祭)鬮が展示されています。隣の現代の鬮と比べて見ると良いでしょう。

洛陽方広寺大仏殿二百分一図

二つ目の展示は主に建築物の図面などから過去の風景を探るもので、写真は今は無い巨大建築物として七条東山にあった京都の大仏が鎮座していた方広寺の大仏殿の絵図です。豊臣秀吉によって天正14年(1586年)に造営された大仏殿は、正面巾約88メートル・高さ約49メートルもあり、奈良の大仏殿を凌ぎ現存すれば世界最大の木造建築でしたが、江戸時代の寛政10年(1798年)に落雷によって焼失しました。
現在は豊国神社と小さくなった方広寺となり、神社の裏手は史跡公園となっています。

四条通北側面写真他

最後はかつてあった薬剤の太子山奇応丸を製造する際に使われた展示品と、昭和38年(1963年)に撮影された四条通のパノラマ写真が展示されています。
パノラマ写真は現代のGoogleストリートビューのようで、戦後の高度経済成長期の様子がわかります。

他にも京都にまつわる資料が多数展示されていますので、ご覧ください。

祇園祭と町の風景-館蔵品をひもとけば-