「発掘された大津の歴史」の見どころ
大津市歴史博物館では9月3日まで企画展「発掘された大津の歴史」が開催されています。
琵琶湖の西側の皇子山にある大津市歴史博物館。高台にあるので琵琶湖が一望できます。
大津市は周辺町村の合併から範囲が広く、また古代から交通の要所で縄文時代から続く遺跡が多く、埋蔵文化財もとても多いです。
同じ滋賀県の野洲市から発掘された銅鐸のように大津市でも袈裟襷文(けさだすきもん)銅鐸が江戸時代に発見されています。
国内でも貴重な発掘品もあり、琵琶湖湖西にある穴太遺跡は縄文時代から弥生・古墳・奈良から平安時代と長期間居住地として使われており、平安時代の流路から発掘された金銅製花文帯金具は国内3例目となる帯金具です。類似した発掘品が韓国済州島でも発見されており、製造地は北東アジアではないかと推測されるものです。
穴太遺跡ではまだまだ発掘作業が続けらており、新たな発見があるかもしれません。
珍しい出土品では南滋賀遺跡から発掘された六世紀後半〜七世紀に作られたと推測される日本最古の独楽です。何かしらの祭事で使われたのかもしれません。
青江遺跡から採集された羊形硯(ようけいけん)。首から顔の一部しかありませんが、古代の役人が使用したと思われる硯で、お洒落な装飾が施されている物が使用されていたようです。
大津市には公園になっている膳所城の他にも戦国時代には明智光秀の本拠地だった坂本城、秀吉の命で坂本城から城が移された大津城がありました。今はない城でも発掘によって当時の瓦が出土します。
今回の特別展以外にも、博物館では常設展示会場で大津市の歴史が分かる展示が多数あり、その一つに江戸時代の大津で発祥された算盤や大津絵がお土産として売られていた解説があります。大津絵は江戸の浮世絵と共に個性豊かなキャラクターが描かれました。
2023年8月3日にガンダムマンホールが近畿で初めて設置され、大津湖岸なきさ浜公園に2箇所設置され、その一つに大津で愛されたキャラクターとして大津絵の鬼の念仏とガンダムのコラボレーションが実現しました。
現代と過去との架け橋になるマンホールデザインでした。